ペコロスの母がやってきた。
母がやってきた。
今までぼくは、部屋の掃除をまったくと言っていいほどやらなかったため、母は家に来るたびに文句を言いながら掃除をしてくれていたのだ。
しかし、時間が余りある今、ぼくは毎日掃除をしているため、埃一つない。
母はいつものように、掃除道具をリュックにパンパンに詰めてきたのだが、それらを使うことはなかった。
「なんか暇だね」
そう呟く母の姿はとても小さくみえて悲しくなった。
すると、部屋のレイアウトについてイチャモンをつけ始め、模様替えをすることになった。
一仕事終えた母は、満足気に帰って行った。
新しいレイアウトは何だかんだ気に入っている。
独り立ちすることは立派だけれど、ぼくはもうしばらく母に甘えようと思う。
それもきっと親孝行だ。
自分に自信が持てず、今日はあまり母の顔をみれなかった。